キオクシアにアイランドリバーサル出現!天井形成か、それともダマシなのか

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キオクシアにアイランドリバーサルが出現

キオクシア
TradingView参照

キオクシアの株価は、7月2日に11,870円安(−13.47%)となる76,260円で引けた。6月22日に112,700円の最高値を付けてから8営業日で36,000円以上の急落劇だ。本年4月からの急騰相場では、20,000円前後の株価が5倍以上になったのだが、急騰した株価は急落しやすいという格言通りの展開となった。

無論、ここからの反発も期待されるのであるが、テクニカル的に高値を付けた兆候が出ているのが不気味だ。まず、本日の株価は前日の引け値88,130円から窓開けとなり、窓埋めすることなく引けている。これにより、6月12日の窓開け相場とのアイランドリバーサル形成した

アイランドリバーサルとは、株価のテクニカルチャート(ケイ線、ローソク足)において、ギャップ(窓)を空けるように株価が上(または下)にジャンプした後に再度、下(または上)側にギャップを空けジャンプして戻る値動きをすることでできる離れ小島のように見える部分のことをいう。一般に、下落トレンドからの底入れや上昇トレンドでの天井にあたる相場の転換点として捉えられることが多い。

明日以降も下落するようだとトレンド転換の可能性は高まることになる。

週足チャートにも出た売りサイン

キオクシア三空
TradingView参照

さらに週足チャート上にも売りの兆候を示すサインが点灯した。連続ではないものの三空が出現、3つ目の窓開けから最高値を付け下落が始まっている。まさに「三空踏み上げは売りに向かえ」という格言通りの展開となっている。

三空の意味するところは、買いが殺到して過熱しすぎているため、そろそろ相場が天井を打って下落に転じる可能性が高い(売り場である)と判断する。突然、降って湧いてきたような半導体メモリー相場の波に乗ったキオクシアであるが、環境が大きく変わっただけで会社や製品自体は何も変わっているわけではない。

さすがに、買われすぎからの反落と考えても間違いではないだろう。今回の急落にしても、キオクシア自体には何の問題もなく、SOX指数の急落から売られているというのが正直なところだ。

キオクシアの時価総額がトヨタ越え

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(以下、キオクシア)の時価総額が、トヨタ自動車を超え日本首位となってもうすぐ3週間となる。キオクシアの株価は一時、IPO価格(公開価格 )の約70倍にまで膨らんだ。 PCやスマホに多用されるNAND型フラッシュメモリー専業の同社が、生成AI需要の追い風を受けて株式市場の大本命にに躍り出た。

データを記録するメモリーには一時的な記憶を担うDRAMと、長期記憶を担うNAND型フラッシュメモリーがある。生成AIブームを背景にそれぞれGPU需要や、データセンターのストレージ需要が爆発的に伸びている。 日本にはDRAMを製造する上場企業が存在しておらず、NAND型に強みを持っているキオクシアに投資家が注目したわけだ。

キオクシアに死角はあるのか

テクニカル的には天井のサインが出現しているが、絶好調が予想される業績面での死角はあるのだろうか。

今回のキオクシアの急落要因の一つには、ハイパースケーラーであるアップルなどが中国製のメモリー採用に動いているというニュースがある。現状、トランプ政権下では中国製のメモリーは輸出禁止となっているが、あまりの供給不足と価格高騰から、中国製のメモリーの採用を政府に働きかけているのである。

これは、供給不足と価格高騰からの問題解決となるが、キオクシアにとって脅威となるのは、商品の販売先となるこれらのハイパースケーラーからの注文が途切れることである。生成AI分野では、メモリーの需要を爆発的に拡大しているものの、未だにそのマネタイズは実現されていない。

キオクシア自体には大量の注文があり業績予想も絶好調なわけだが、注文先であるハイパースケーラー各社の業績には未だ寄与しておらず、思ったようなマネタイズができない場合にはキオクシアへの注文も一気に減少してしまう可能性もあるのだ。

半導体メモリー急落の歴史とは

我が国の半導体企業は典型的な景気循環産業で、過去には株価は大きな上昇・下落を繰り返してきた。もともとメモリーを含む半導体の需要は、OS更新に伴うパソコンの買い替えサイクルにけん引されていた。パソコン買い替えのタイミングであらゆる半導体の需要が拡大する一方で、ある程度普及すれば需給バランスが崩れ、数年周期で価格が下落する。

この景気循環は、「シリコンサイクル」と呼ばれている。しかし、2010年代後半から、半導体の用途がスマートフォンや家電、EV(電気自動車)、そしてデータセンターやロボット、IoT(モノのインターネット化)機器など、PC以外の民生・産業の両方面に広がった。

同じことが、クラウドコンピューティング、コロナ特需でも起こっており、半導体メモリーは「シリコンサイクル」から「スーパーサイクル」という楽観論、つまり、メモリーの価格が下落しにくい時代になったと期待された。

しかしながら、現状はこれまでの「スパーサイクル」はことごとく期待を裏切り、メモリー価格は「シリコンサイクル」通りに価格が下落している。今回の生成AI特需が「スーパーサイクル」になるのか、あるいは、これまでと同じように「シリコンサイクル」となるのか、株価はどちらのサイクルになるのかで決まりそうだ。

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