フジクラ株の暴落
5月14日フジクラはまさかのストップ安となった。この日の決算説明会での業績予想が市場予想を下回ったというのが直接的な要因だ。その後もフジクラの株価は下落を続け、8,000円近くまで上昇していた株価は5日間で4,000円近くまで暴落した。
AI関連銘柄の中でも光ファーバー製造の大本命として考えられていたフジクラが、わずか5日間で40%以上の急落である。

さすがにここまで急落すると反発も期待されるところだが、高値には信用買いの残骸も多いだろうから、AI関連銘柄の大本命としての動きをとりもどすのは難しいかもしれない。
AI相場の危うさとは
フジクラの下落相場を見ると、まさに一直線に下落している。フジクラに期待して株を購入していた投資家が一気に売却したとも考えられるが、この下げ方を見るとAIが100日移動平均線まで一気に売り続けたと考えるほうが妥当だろう。
今回、フジクラの業績見通しが期待外れであった最大の理由は、光ファイバー製造に必要となる高濃度水素の供給が困難になりつつあるということだ。市場の見方としては、他の光ファイバー銘柄には影響がないということで、フジクラ固有の問題と判断されており、他のAI銘柄にはそれほど波及していない。
しかし、高濃度水素は光ファイバーのみならず高性能半導体の製造にも大量に必要となり、世界的に供給がひっ迫していることは以前より指摘されている。
水素がなければAIは動かない
フジクラの場合、AIデータセンターで爆発的な需要がある光ファイバーの注文が殺到している。同社の世界トップレベルの技術力があるからだが、想定をはるかに超える注文がきたため水素の供給が追い付かないという状況だ。
せっかくの生成AIもフィジカルAIもAIデータセンターがなければ利用できない。そのデータセンターには大量の高性能半導体や大量の高品質光ファイバーが必要となる。極論を言えば、高濃度水素がなければAIは動かないのである。
世界の株式市場は、AI特需で盛り上がっている。しかし、今回のフジクラがそうであったように、思惑が外れた場合には当たり前のように30~40%くらいの株価急落はいつ発生しても不思議ではないだろう。
高値更新を続ける世界の株価指数
AI関連の大本命とも思われたフジクラは「水素供給不足」から株価は40%以上も下落した。しかし、日経平均、ナスダック総合指数、S&P500、さらには韓国KPI、台湾加権などのAI関連に引っ張られている株価指数はお構いなしに高値を更新している。
おそらく多くの投資家も今回のフジクラの問題は同社固有の問題であり、他のAI関連銘柄には関係ないと考えているのだろう。あるいはただ単に無視し続けているだけかもしれない。
過去にもあった言葉が思い出される。「赤信号みんなで渡れば怖くない」、令和風に言うと「赤信号、AIと渡れば怖くない」。

