10年物国債金利急上昇
青空天井に向けて上昇しているのは株式市場だけではない。日本国債10年物利回りも5月15日(金)の米国時間に2.73%へと上昇した。15日の日経平均は1,244円安、米国時間には370円ほど戻しており、まだ金利上昇の影響は出ていない。

米国市場はというと、ダウ平均537ドル安、ナスダック総合指数410ポイント安、S&P500は92ポイント安と全面安だが、これはWTI原油価格が105ドル台まで急騰したことを受けてのものだろう。米国10年物国債利回りも急騰している。
米国市場においても、FRB議長が後退したばかりではあるものの、この状況を鑑みればとても利下げできる状況ではないだろう。
円キャリトレードへの影響
投資の歴史を調べてみると、現在の状況は非常にやばい。これほど国債の金利が上昇していくと、何もリスクをとってまで株式市場で運用する必要がなくなるからだ。とりわけ怖いのは、世界の株式市場を押し上げている円キャリトレードへの影響である。
先進国の中で唯一の低金利国である日本で資金調達して、日本の金利よりも高い利回りが取れる金融市場で運用をする円キャリートレードも、日本の金利が上昇し続ける中では有利なトレードができなくなる。
日本国債10年物利回りが3%を超えるような水準になると、円キャリートレードの強力な巻き戻しが起こるだろうと想定されている。こうなると株式市場は打って変わって下げ続けることになりかねない。また、日銀が6月の利上げをにおわすようなニュースを流すと、それこそ植田ショックの再来ということになるだろう。
原油価格の動きに注意
金利の上昇はインフレ懸念であり、その最たる要因は原油価格の上昇だろう。原油価格が上昇することでインフレ懸念はますます高まり、日米の国債金利を上昇させる。ここまではそのインフレが株式市場を上昇させてきたわけだが、債券利回りがここまで上昇してくると、世界のお金は株式市場から債券市場に流れるのが世の常だ。
105ドル台まで上昇している原油価格だが、イラン戦争勃発時の120ドルを超えるようだとその影響度は金融市場にとって計り知れないものになるのかもしれない。


