日経平均急落
前日の米国時間には67,600円台まで上昇していた日経平均は、その後のイラン戦争終結期待が遠のきそうとの情報から急落、本日の日中に一時65,500円台まで売られた。同じく米国時間に原油価格が95ドル台まで急騰したことから、利確売りに押された形だ。
それにしても先物市場では1日で2,000円以上も急落しており、先高期待が強い日経平均だけに一気に利確売りが殺到したのだろう。ここまで強い相場を見せられると、売りで勝負する投資家は少ないだろうから、ほぼ溜まっていた買い残の決済で大きく下げたことになる。
本日の空売り指数も41.0%とわずかに増えたものの、相変わらずの低水準である。売り物が少ない中で久々に利確売りが大量に出たと思われる。結果的には、振るい落とし相場だったということだろうが、その後は急速に株価を戻しており、先物市場では67,000円台に接近している。
原油相場に依存する株式市場
今回の急落劇は、あらためて株式市場は原油相場の影響を大きく受けるということをまざまざと見せつけた。最近では、中東情勢の情報に一喜一憂するようなことはなく、まるで無視するかのように株式市場は上昇していたのだが、突然の原油価格の急騰が株価急落のきっかけとなった。
現在の株式市場を支えているのは、もちろんAI関連銘柄であろう。また日本の株式市場に限って言えば、買っているのは外人投資家である。その外人投資家が着目しているのは日経225EPSだ。この一株当たりの利益は、新年度入りとなる4月1日の2,691円からには2か月後の6月1日には3,729円まで1,000円以上も伸びている。
つまり、日本企業の収益が大幅に伸びることを前提として日経平均を爆買いしているのだ。この日経225EPSが伸び続ける限りは外人投資家は日経平均を買い続けるであろう。しかし、この前提が崩れれば話は大きく異なる。この大前提を崩してしまう一番手として見られているのが原油相場であり、昨日の原油価格急騰で一気に売りが殺到したのだ。
正念場を迎えている原油相場
その原油相場だが、実は現在正念場を迎えている。大手投機筋などは無論そのことを知っているので、慌てて日経平均を売り出したのだとも考えられる。原油価格次第では、異常なほどに強い株式相場でさえ崩れてしまう可能性を秘めているのだ。
さて、原油価格は95ドルまで急騰したものの、その後は落ち着きを取り戻し90ドル台まで下落しており、これを見て急落した株式市場も大きく戻している。この先、90ドルを割ってさらに下落していくのか、あるいは再び上昇開始し120ドルを目指すのか、これからどちらかに動いていくものと想定される。
イラン戦争勃発から始まった原油急騰相場が収束していくのであれば株式市場にとっては強力な買い要因となり、逆に上昇開始した場合には強力な売り要因となるだろう。
6月12日メジャーSQに向けて仕掛けが入る可能性も
原油相場の乱高下でボラティリティの高まった日経平均だが、もう一つ重要なイベントを控えている。6月12日のメジャーSQだ。直近でも、日経平均は東京時間の早朝から短時間のうちに1,000円前後動くことが多いが、これは大半がオプション取引の投げによるものだ。
過去に何度もメジャーSQに向けて相場に仕掛けが入っているが、今回も高い確率で買い仕掛け、もしくは売り仕掛けが入ると想定しておいたほうが良いだろう。上昇するにせよ、下落するにせよ、予想を上回る大きな動き(幅)となる可能性は高そうだ。
6月12日と言えば、米国市場でスペースXの公開予定日でもある。時価総額300兆円ともいわれるIPOであり、これに向けた換金売りも相当出ると思われる。
金利動向にも注意
金利動向にも注目だ。金利が上がれば景気に影響を及ぼす。ただし、現在の日本経済という観点からは、多少金利が上昇しても、それを上回るような成長スピードがあるため、0.25%程度の利上げであれば株式市場には影響は小さいかもしれない。
10年物国債の金利も2.8%まで上昇しているが、こちらも3.0%を大きく超えていくような金利上昇でないと株式市場は無視するのかもしれない。とは言え、複数回に分けて利上げを実施する可能性もあるし、金利が上がることで円キャリートレードの巻き戻しの可能性もあり、注意は必要である。

