日経平均を動かす日経225EPSとは
EPS(Earnings Per Share)」とは「1株あたり利益」のことで、一般に純利益を発行済み株式数で割って算出される。日経225EPS(1株当たり利益)とは、日経平均株価を構成する225社の純利益を合計し、それを指数全体の算出に使う除数で割って算出される数値である。
さて、この毎日公表されている数値がとても重要なのは、現在のAI爆上げ相場の指針となっているからであり、日経225EPSの上昇が日経平均株価を引き上げているといっても言い過ぎではないからだ。AI相場が始まる前日4月7日の日経225EPSは2,693円(PER19.84倍)。
日経225EPS直近の最高値は、日経平均が2番天井を付けた6月25日の3,922円である。4月7日の日経平均終値は53,429円、6月25日の終値は72,366円(終値ベースでの新高値)であり、EPSが1,229円上昇して日経平均を19,000円ほど上昇させたことになる。
株高継続には日経225EPS上昇が重要なわけ
日経平均が2025年4月の押し目(30,342円)から1年強で7万円を超える水準まで大躍進した最大の理由は、この日経225EPSの持続的な上昇にある。日本の個人金融資産のうち株式市場に流入しているのは約11%に過ぎず、市場を牽引しているのは主に外国人投資家だ。その彼らが日本株を評価する上で最も重要視しているのが、この日経225EPSなのである。
特に足元のAI相場において、一部の限定された銘柄だけで日経平均が押し上げられているのは、それらの企業の利益成長が著しいためだ。世界的なAIデータセンターの建設ラッシュを追い風に、東京エレクトロンやキオクシア、フジクラといった企業へ大量の注文が殺到し、全体のEPSを大きく押し上げている。
したがって、今後も日経平均が上昇トレンドを維持するためには、日経225EPSのさらなる拡大が絶対条件となるだろう。この上昇力が鈍化するか、あるいは減少に転じた場合、これまで市場を支えてきた外国人投資家からの資金流入が大幅に細るリスクには警戒が必要である。
日経225EPS4,000円、PER20倍で日経平均は8万円
では、日経225EPSはどこまで上昇するのだろう。実は、6月25日までは右肩上がりで上昇してきた日経225EPSだが、26日以降はやや減少傾向にあり、現時点では3,700円台で推移している。これまでの上昇スピードが速かったことから、一服している可能性もあるだろう。しかしながら、日経225EPSを押し上げているのはほんの一握りのAI銘柄であり、これらの銘柄に異変が生じた場合にはEPSにも大きな影響は避けられない。
6月25日までの右肩上がりの状況が戻れば、日経225EPSが4,000円を超えることも可能であろう。その場合にPER20倍まで買われた場合には日経平均は8万円の大台を超えることになる。こう考えると、日経平均8万円もまんざら遠い話ではないようにも思えてくるが、ひょっとすると6月25日にピークを迎えた可能性もなくはない。
日経225EPS上昇に必要なのは円安とAI銘柄の上方修正
日経225EPSを右肩上がりで上昇させてきた要因は、AIデータセンター絡みの半導体・光ファイバー関連企業による業績の著しい伸びと上方修正だ。また、忘れてはならないのは160円台に定着した感のあるドル円相場である。円安は輸出企業にとっては大きな利益をもたらす。仮に、さらに円安が進み170円、180円台にまで上昇していけば、日経225EPSも上昇し続けることになるだろう。
日米両政府は、長らく中国に依存していたサプライチェーンを日本に戻そうとしているのではという説がある。この話が本当ならば、まず考えられるのは円安政策だろう。円安になれば、日本で物を作るほうが都合が良いわけで、プラザ合意ならぬ逆プラザ合意が今後起こるのではとも噂される。
円安でサプライチェーンが日本に戻ってくれば、日本企業は完全復活することになるだろう。つまり、円安は日経225EPSを上昇させ、それを見た外国人投資家はキャリートレードを継続し、日本株を買い増すだろう。円安=株高となるわけだ。
毎日公表される日経225EPSをチェック
投資判断において、毎日公表される日経225EPSの推移を確認することは極めて有効である。6月25日の最高値3,922円を上抜けてさらに拡大していくようであれば、日経平均の最高値更新が期待できるが、逆にここから下落基調を強めるようであれば、株価全体の調整やトレンド転換を警戒する必要がある。
同時に、為替市場がさらに円安に振れるのか、あるいは円高方向へ転換するのかも、日経225EPSの動向を左右する重要な鍵だ。この「日経225EPS」と「ドル円相場」の2つの指標を日々トラッキングするだけでも、日経平均の大きな方向性を見極める手がかりとなるだろう。あわせて、AI関連銘柄の業績見通しや関連ニュースへの目配りも欠かさずに行いたいところだ。

