株価上昇が止まらない
まさにAI全盛時代の到来か!株価指数の上昇が止まらない。ナスダック総合指数、S&P500に加えてついにダウ平均株価も最高値を更新、日経平均はまさかの7万円台を目指す展開、そしてこれらを上回る勢いで上昇し続ける韓国KOSPI、台湾加権。
いつまで上昇し続けるのか、相場のことは相場に聞くしかないわけだが、株価に大きな影響を与えるものがある、それは原油相場だ。原油価格が上昇すると株価は一気に下落する。現在の強すぎる株式相場も例外ではない。
原油価格が100ドルを超え、イラン戦争勃発時の120ドル付近を超えるようだと、さすがの株価指数も暴落するのではと考える投資家は少なくない。原油価格が株式相場に大きな影響を与える3つの理由を詳しく解説する。

①インフレ進行と金利の変動
原油価格の上昇は、生産コストや輸送コストの増加を通じて、最終的な消費者物価を押し上げる要因となる。消費者物価の上昇からインフレが加速すると、中央銀行(各国の中央銀行など)は物価を抑え込むために政策金利を引き上げる傾向がある。
一般的に金利が上昇すると、企業は資金調達が難しくなり、特にITや成長株などは相対的に割高と判断されて株価が下落しやすくなります。金利が上昇すると、わざわざリスクを冒して株式投資をするよりも、安定して高金利が取れる債券投資のほうにお金が流れることになる。
②コスト増による企業業績の悪化
原油は、燃料やプラスチックなどの化学製品の原料として世界中で幅広く使用されています。原油価格が上昇すると、製造業の工場稼働コストや物流会社の輸送費、さらには企業の光熱費まで跳ね上がる。
こうしたコスト増を商品やサービスの価格に十分に転嫁できない企業は、利益が圧迫されて業績が悪化するため、株価の下落につながりやすくなる。
③原油相場は世界経済の先行指標
原油は「産業の血液」とも呼ばれ、世界中のあらゆる生産活動に不可欠だ。そのため、原油価格の急激な上昇は「世界全体の経済活動が非常に活発である(需要が旺盛)」ことを示し、逆に価格の急落は「世界的な景気が減速している(需要が低下している)」サインとして受け取られる。このように、株式市場は原油価格の動きを通じて世界景気の先行きを判断し、株価の調整を行うことになる。
イラン戦争勃発におる原油価格の急騰は、ホルムズ海峡封鎖という異常事態が直接的な要因であり、世界全体の経済活動が活発化したわけではない、しかしながら、このタイミングを契機として世界の株式市場は突如として上昇を開始している。
原油相場の上昇と株価の関係
2026年5月後半、日経平均は65,000円台を突破した。イラン戦争終結期待から原油価格が急落したのが要因と言われる。確かに原油価格は急落したが、依然として高水準の価格帯にある。
実は今の状況と非常に似た時期がある。2007年初頭から始まった原油高騰相場だ。歴史は繰り返すといわれるが、この時は2007年1月安値50ドル前後から2008年7月に147ドル台まで右肩上がりに上昇している。

その結果何が起こったのか?忘れもしない、2008年9月のリーマンショックである。さらに言うと、リーマンショックから半年後の2009年1月には原油価格は33ドル台まで下落したのである。
今回も同じことが起こるという保証はない。しかしながら、原油価格の急騰は、金利上昇、株価下落を引き起こすということを忘れてはならないだろう。
コロナショック時にはマイナス価格であった原油価格
今回の原油価格相場を語るうえで知っておきたいのは、2020年4月に発生したいわゆるコロナショックの際には、原油価格はマイナス価格であったということだ。むろん先物市場での話だが、原油を購入してもらうためにはお金を支払う必要があったのである。
つまり、価格的にはゼロ円付近から始まった原油相場は、コロナ対策となる異次元の金融緩和策という史上まれに見る金余り状態の中から発生しているのである。その後、ウクライナ侵攻で130ドル付近まで上昇し、今回のイラン戦争では120ドル付近まで上昇した。
イラン戦争終結により、原油価格は平時の水準へと向かうのか、あるいは、さらなるインフレを巻き起こし金利上昇を引き起こすのか、株式相場の将来は原油相場次第であると言えそうだ。

