オプション市場から見た日経平均、7万円割れでプットの買い急増!

株式リスクプレミアム 日経平均株価

日経平均7万円割れでプットの買い急増

押し目待ちに押し目無し、まさに最近の日経平均はそういう状況であったが、久しぶりに押し目買いのチャンスが巡って来たのかもしれない。日経平均はザラ場では73,000円台まで急騰していたのだが、今週に入りまさかの急落で一時69,000円も割り込んだ。

今回の急落劇については、さまざまな理由が解説されているようだ。混乱する中東情勢、日米当局による利上げ問題、韓国株式指数の暴落、スペースX急落など、探せばいくらでも出てきそうだが、実際のところは単純に日経平均の上昇スピードが速すぎたというか、買われすぎていたということだろう。

一旦、巻き脅しが入った状況だが、現在の相場はAI銘柄の業績予想を背景として買われているので、こちらに変化がない限りは本格的な下落トレンドは考えにくい。しかし、とは言いうものの、7万円台を割ったという心理的なダメージは大きく、オプション市場では最近少なかったプットの買いが急増しており、多くの投資家が保険をかけ始めだした。

オプション市場でプットの買いが激減していたのは、日経平均のあまりの上昇力にプットオプションを購入した途端に瞬殺されるという状況が続いていたため、売りで利益が出るプットの買いはここ最近は見送られる状況が続いていた。

日経平均5万円に大量のプットの買い

日経225オプション市場を見てみると、5万円のところに大量のプットの買いが入っている。というと、日経平均5万円があると思っている大口投資家がいるのでは?あるいは、陰謀論的に、国際金融資本がイラン紛争などを利用して日経平均を暴落させ、大儲けしようとしているのでは?などと勘繰られるかもしれないが、それは間違いだ。

日経平均5万円のプットの買いは、7月切りにもあるが、メジャーSQとなる9月切り、12月切りにも大量に入っている。これは、大口の投機筋が5万円以上であれば含み益があるということで、万が一、5万円を割った場合、つまり将来の損失に備えてプットオプションの買いという保険をかけているのだ。

あくまで保険なのでプットの買いで儲けようなどとは考えておらず、将来のリスクに備えて保険料を支払っているのである。これは、オプション取引は売りが儲かるといわれる所以でもある。

3月メジャーSQ後につけた安値50,467円

本年4月から始まったAIデータセンター相場であるが、実は直前の3月末には日経平均は高値60,051円から50,467円まで1万円ほど調整しており、ここから3か月弱で23,000円ほど急騰している。数字だけ見ると異常な上昇幅と言えるだろう。多くの投機筋がよほどのことがない限りは、もう5万円を割ることはないだろうと考えポジションを作っている。

しかし、リーマンショックやスイスフランショックなど、株式市場では誰も予想できなかったような暴落が起きる。ましてや、ほんの数銘柄のAI関連株が株価指数を支えている現状を見れば、暴落とまでは行かなくとも大きな調整があっても何ら不思議ではないだろう。

50,000円のプットオプションが大量に買われている現状を見れば、多くの大口の投機筋は日経平均50,000万円くらいの調整までは許容範囲とみているのかもしれない。つまり、73,000円が68,000円まで売られたくらいではほんの小さな調整の範囲内ということになる。

68,000円から65,000円までは真空地帯に

現状の日経225オプションを見ると、昨日止まった68,000円台から65,000円はオプション市場では真空地帯となっている。6万円台から7万円台までの上昇があまりにも早かったということもあるが、コールもプットもごくわずかしかない。過去の経験則からは、真空地帯に株価が入るとレンジ相場を形成することが多いといわれる。

昨日の安値を割るようなことがあると、この範囲内でのレンジ相場、つまり時間を伴った調整が行われる可能性があるわけだ。無論、これまでのように押し目をつくらずに一気に戻して新値更新するようなら話は別だが、7万円台をなかなか回復できないようだと、じりじりと下落する可能性に注意する必要がある。

いずれにせよ、時間をかけて戻すのか、あるいは、これまでと同じようにスピード調整となるのかが問題であり、日経平均の上昇相場が終わったというわけではないであろう。

動かないドル円相場

株式市場の急落を横目にドル円相場は161円台で止まったままだ。流れは円安だが、介入警戒感も強く大きく円安にも向かわない。為替トレーダーにとっては何とも迷惑な話だろうが、仮に円安に動くとすれば、日経225のEPS(1株当たりの利益)にとってはプラスに働き、株高の要因となる。また、逆に介入が実施され大きく円高に向かうようだと、EPSは下落し株安になる可能性が高い。

従って、ドル円相場が161円台に止まったままなら、日経225EPSにはまだ上昇余地は残されているだろうから、今回の急落も調整の範囲内ということになろう。逆に、円高方向にトレンド転換するようなことがあれば、現在の株高シナリオが崩れてしまう。

ドル円相場が円高にトレンド転換しないという前提で、7月上旬に予定されるAI関連銘柄の四半期決算が注目される。

タイトルとURLをコピーしました