過去の協調介入でドル円相場はどう動いたのか

2026年7月の円買いドル売り介入で一時155円台まで円高になったが、その後はじりじりと円安に進んでおり160円目前まで円が売られている。市場では、やはり介入には限界があるのではとの声も多く聞かれるが、ドル円相場は再び160円台に戻り、165円以上を目指すのか、それとも155円を割り込んでトレンド転換するのか注目が集まっている。
気になるのは先月の介入の効果のほどだ。問題なのは、今回の介入は日本単独ではなく日米による協調介入である点だ。米国側は、ドル円ではなく、ユーロを売って円を買っている。米国としても、これ以上の円安ドル高は好ましくないという観点から実施された。
1ドル=360円の固定為替時代レートから変動相場制に移行して以来、プラザ合意、ルーブル合意を経て超円高時代が到来し1ドル81円台まで円高が進む、それ以降、1995年8月、1998年6月、2011年3月と3度の日米協調介入が実施され、今回の7月の日米協調介入は4度目となる。
チャートを見ると一目瞭然だが、過去3度の日米協調介入はいずれも強力なトレンド転換を引き起こしており、介入効果は抜群であったと言えるだろう。この事実を知っていれば、「介入の時代は終わった・・・」とはそう簡単には言えそうもないだろう。
ドル円の月足チャート

月足の一目均衡表では、昨年10月から転換線をサポートラインとして円安相場がスタートし、164円目前まで円安が進んだ。そのタイミングで協調介入が実施され、今月に入り、これまでサポートラインとなっていた転換線の下に実線が下りてきたものの、その後急激に戻して再び転換線の上に出た。今月の転換線の水準は158円04銭付近にある。
その下の基準線は151円78銭のところにあり、仮に、介入時につけた155円22銭を下抜くようだと、このあたりの価格帯は非常に意識されることになる。現時点では、転換線はもちろん基準線も上向きとなっており、基準線を簡単に割り込んで150円をも割り込むような展開はそう簡単にはやってこないだろう。
ドル円の週足チャート

週足の一目均衡表では、昨年の9月から基準線が強力なサポートラインとなり、145円台から急上昇しており7月には163円台後半まで円安が進んだ。まさに青天井相場の様相を見せていたが、そのタイミングで協調介入が実施された。
昨年9月以降は、強力なサポートラインとなっていた基準線を実線で下抜くことはなく、下抜いてもすぐに戻し下髭で割っただけであった。しかし、今回の協調介入による円高相場では2週連続で実線ベースで下抜いている。先週からの急反発で基準線を再び上に抜いているが、今度は転換線がレジスタンスラインとなっている。
週足の転換線は159円60銭のところにあり、ここ数日159円台の半ばあたりから急激に頭が重くなっている。転換線を上に抜いて160円台に突入していくのか、あるいは再び基準線を割り込んでいくのかに注目。基準線を下に抜いた場合には特に注意が必要となる。
ドル円の日足チャート

日足の一目均衡表では、均衡表の雲がサポートとなって円安相場が進んでいた。協調介入による急激な円高により、転換線と基準線を同時に下に抜いて、その勢いでサポートとなっていた雲まで下抜いていった。その後155円台からの急激な戻しで雲を再び上に抜き、急降下してきた転換線も抜いている。
現状では、日足の基準線が159円60銭のところにあり、ここがレジスタンスラインとなっている。週足の転換線と日足の基準線がほぼ同じところにあり、レジスタンスラインとなっている。また、日足では遅行線も実線を下抜いており、雲にサポートされて反発した形になっている。ただ、遅行線の上値は実線が今度はレジスタンスラインとなっている。
こちらも基準線を上に抜いていけば円安相場が、基準線を抜けずに再び雲を下に抜けていくようだと円高相場にトレンド転換する可能性が出てくる。
ドル円の4時間足チャート

ドル円の4時間足チャートがさらに面白い。協調介入により、雲、転換線、基準線すべて下回ったが、155円台からの急反発で転換線、基準線を同時に上に抜いて、今度は転換線がサポートラインとなって、159円台に突入している。ここから雲の中に入っていきそうだが、雲の上に出るのか、あるいは下に出るのか要注目だ。上に出れば円安相場、下に出るようなら円高相場であろう。
遅行線もちょうど実線にぶつかっており、上か下かに動きそうなタイミングである。現在の遅行線の位置は協調介入による急激な円高相場の真っただ中にあり、基準線も転換線も急降下している。どちらかと言えば、タイミング的には円高のほうに動きやすいのかもしれない。
ただし、過去の事例からは下に動きそうでも、159円台で強い動きが続き円高に進まないようだと日足の基準線を上に抜いて160円台に駆け上っていくことになる。日足のレジスタンスラインがすぐ上にあるので、まさに正念場と言うところであろう。
